コラム 2020年9月号
2020/09/01
今年もウッドデザイン賞の季節がやってきました。今年は一場木工所として1件、木育普及委員会として1件、共同応募者として2件、協力団体として1件のエントリーとなりました。
2016年にはじめて第2回目だったウッドデザイン賞の存在を知り、一場木工所の研究・商品として、2016、2017、2018、2019の4年連続受賞。
2019年は木育普及委員会の「ひろしまの森 木育VR体感フェス」でも受賞させていただきました。4年連続は株式会社ナイスと一場木工所だけのようなので、5年連続受賞になれればと祈っているところです。
まだまだ認知度の低いウッドデザイン賞ですが、これをひとつのきっかけとして、他県の木製品や木造建築、木育や地域サプライチェーンやプロジェクトの「見せ方」「伝え方」「ストーリー」「課題点」など過去の受賞作品から学ぶことは沢山あります。
また、審査員の評価ポイントは、毎回「そこなんだ〜」と思うようなエンドユーザー目線のものが多く、これは業界にいると見えにくいものです。
公益性の高い建物などの木造建設や内装木質化は、CSRやSDGsも含めオーナーや施設運営者が森や山を取り巻く環境や木を使うことに対してどのようなビジョンを持っているかなど、分かりやすく伝えられるものだと思っています。
なかなかご説明してもエントリーされない市町の木造施設や取組も多く非常に残念ですので、しっかり周知していけたらと思っています。
公益社団法人日本木材加工技術協会2020.8月号に寄稿された、森林総合研究所杉山真樹先生の「材料・空間の感性・快適性評価に関する産学連携セミナー開催報告」の中で「木の良さ」の科学的エビデンス構築に対する社会の要請は強まっていると・・・これまでの研究が社会の要請に十分にこたえられていないことの表れとも考えられる(一部抜粋) とありました。
コロナ禍で人が集まる木育イベントが難しいですが、逆に森や山などの自然体験や室内でも木の香りや木の肌触りを感じたいという人たちや内装木質したい施設も増えています。木育普及委員会では昨年に引き続き、三蜜をさけながら木のスプーンをつかった木育プログラムを実施し、求められているのにいままで実証されていなかった科学的エビデンスを少しずつ増やしています。これが今後の木の空間や木を触る、知ることが付加価値に代わっていくのです。