コラム 2020年5月号
2020/05/01
新型コロナウイルス(COVID19)が猛威を振るっています。私のいる三次もついに感染者が出てしまいました。今皆さんとても厳しい状況だと思います。このコラムが掲載される頃少しでも光明が見えているといいのですが・・・
そんな中、クロモジ採取のため山に入りました。山はいいですね。コロナウイルスも心配ないですし、クロモジはちょうど花がつくかつかないかでしたが、伐るたびにさわやかな香りがして、ついつい抱えられる量をオーバーするところでした。
今回は普通の車で来てしまったので、次回からは軽トラックで来なくては。
あえて自分で山に採取に来たのは、林家さんや異業種の専門家と一緒に山に入ることで、山で見落とされている資源を再確認し、その有効活用と採算性について検討できるいい機会だからです。私は林業も木材のことも知らずこの業界に入ったので、社長になってすぐ「堅い木はなんか?」と問われて「ヒノキ?」と答えてしまうほど木のことは全くわかりませんでした。その時の恥ずかしさと悔しさをバネに「もっと知りたい」「もっと本質を伝えたい」という、思いに駆られてここまで走ってきました。逆に木を知らないことで良かったことは、木の常識にとらわれず、食品やデザイン、イベント、地域おこし、観光事業に関わってきた経験から、違う角度で見えるもの(気づき)があったことでしょう。まだまだたくさんの可能性を秘めた山はとても魅力的です。ヒノキ・スギの人工林はもちろん、広葉樹や林産物を高付加価値商品に変えていくこと、森林空間自体の価値を創造していくことで、林業を別の方向から支えていけるような取り組みを生み出し、地域に根付いたものに醸成させるべく、月に1回は山に通いたいなと思った一日でした。(キノコと苔と鉱物も大好きなので)
最近は、ちょっと業界に慣れてきて初心を忘れがちになっていましたが、山に入ったことで心をリセットできました。このコラムを読んでいる人の中にも実際にはほとんど山に入ったことがない人もおられると思います。新型コロナウイルスが終息しましたら、ぜひ、一緒に山の宝探検ツアーに行きましょう。新型コロナウイルスの少しでも早い終息を祈っております。