コラム 2019年7月号
2019/07/01
「こころに森を育てる」 第2回
広島県の「山の日」は6月の第一日曜日に全県で開催されている。そこで木育普及委員会としてコナラの枝で作るカブトムシワークショップを開催した。
コナラの枝を短い半割にして、胴体と頭にして、胴体に開けた穴に小枝を差し込んで、足を6本。枝の二股のところを使って触角を作り、グルーガンでくっつけて目を書けば出来上がり。シンプルなワークショップだが、毎年大人気だ。胴体と頭のパーツは用意していくのだが、触角と足は当日の整備作業と時に持ち帰ってもらったものを使って作っている。子どもたちが自分で剪定ばさみを使って枝をカットして、工夫して作っている。今年はよりリアルになるように、2本は頭側、4本はお尻側に斜めに穴をあけてみた。差し込む枝もかれのところをうまく使って関節に見えるようなものをつかうとかなりリアルに出来上がる。葉っぱをつけて羽にしたり、クワガタに変更したりする子もいる。お父さんはリアルに作りたいのに、子どもは耳を貸さないといったシーンも毎年多く見受けられる。
昨年はたくさん参加があったので、今年もそのつもりで多めに用意していったのだが、昨年度開催したときと同じ子どもたちが多く、昨年度よりも明らかに人数が少ない。100m先の観光施設に一つでも立て看板で、山の日のイベントを行なっていることをお知らせできれば、まったく知らなかった人たちに知ってもらう良いきっかけになったはずだ。
本来は祝日法第2条「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日」とあり、山の整備などを通して、山や森の公益的な効果や山の恵に感謝する。知ってもらう機会を作ることが第一目標なのに、非常に残念な状況だ。
「いつ」「誰に」「何を」伝えて行くのかは明確だと思われるが、「どのように伝えていくのか」本当に知ってほしい人、考えるきっかけを与えたい人にどうイベントに参加してもらい体験してもらうことができるかということについて、もっと知恵を絞ることができるはずだ。イベント内容とともに、参加者が参加しなかった人に伝えたくなるような仕組みづくり(SNSなどの活用)を積極的に行なうなど、計画の段階からぜひ取り入れていって形骸的なイベントではなく、本当に山に親しみ機会を創出していきたい。